サラ金でお金を借りた…、会社への在籍確認から逃げることはできる?
「すごく悩んだんです。できれば、やっぱサラ金は利用したくなかったんで…」。そう語るIくんは、やや涙目だ。
「親には以前一度、無理を言ってお金を借りたことがあるから、言い出しずらい。第一、妹がまだ大学生でお金が非常にかかる…。金持ちの友人とかいれば気前よくポンとお金を貸してくれるのかも知れないけど…。あいにく友人なんか、みんなボクと似たり寄ったりの境遇で…」。
昨年、都内の某私大を卒業後、アパレル関係の仕事に就いたIくん。この就職氷河期に一発で就職できるなんて…!と友人には羨ましがられたし、親きょうだい、親戚も、とても喜んでくれた。今までアルバイトひとつしたことがなく、親がかりだったIくん。これで親を少しラクにしてあげられる!と張り切ったのだが、そんな殊勝な考えを持つ若者にとって、現実は甘くなかった。「営業に回されたんですが、思うように契約が取れない…。成績が毎月貼り出され、最下位の営業は、同期のみんなの前で上司に罵られたり、罰として、トイレ掃除や、朝礼前の清掃、お茶出しなどを命じられる…。それが怖くて、営業周りの際、自腹を切って菓子折を持参したり、担当者を接待したり…。その甲斐あってか、ずっと好成績は上げているけど、日頃の給料だけでは賄えなくて…。頑張ってつづけていれば、報奨金も出るし、苦しいのは今だけで、今、お金を借りられればきっとなんとかなるとは思っているんですが…」。
悩んだ末、Iくんはサラ金でお金を借りた。返済には無理のない範囲でしか借りていない。しかし、Iくんが、今一番恐れているのは…。「サラ金業者から、会社への在籍確認の電話です…。サラ金で借金していることがバレてしまったら、と気が気じゃないんです。社員証などを提示するなどして、在籍確認から逃げることは…、できないんでしょうか」とIくん。
社員証を見せたところで、それがホンモノか、はたまた偽造であるか、サラ金業者には見分けがつかない。やはり、電話による在籍確認は必須と言える。
「そうなんですか…」。ガックリ項垂れるIくん。
しかし、サラ金業者といえど、お金を借りた人は大事なお客様。貸したお金が返済される前に、仕事を解雇されるなどということがあっては、商売上がったりだから、その点はきちんと配慮してくれる。在籍確認時、サラ金業者として名乗ることはなく、系列の保険会社、銀行などの名を名乗ることが多いのだとか。とりあえず、Iくん。その点は、安心して大丈夫。あとは、返済をきっちり行うこと!
「はい。安心しました。ありがとうございました!」。